ローマ人の物語〈35〉最後の努力(上) 塩野 七生

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ついにこのシリーズも35巻まで来た.

淡々と歴史をつづっているので,歴史小説と違い感情移入のしづらい内容ではあるが,そこがまたこの本のよいところでもある.
かのビスマルクの名言「賢者は歴史に学び,愚者は経験に学ぶ.」ではないが,このような本を読んで考えることこそ,歴史に学ぶということではないかと感じる.
この本にはディオクレティアヌス帝の時の税制の変革があったことが書かれているが,うなるようなことが書いてあった.
(P129から引用)
アウグストゥス税制
先に納税者あり.国家は,税収が許す範囲のことしか手がけない.
ディオクレティアヌス税制
先に国家あり.その国家に必要な経費が,税として納税者に課される.
まさに現在に当てはまるではないか.
納税者からは無理な税金を徴収しない.累進課税をかけない.それで集まる税金でできることだけを行う.小さな政府.これが初代皇帝アウグストゥスの考え.その代わり富裕層は自分のお金で公共施設を建てる.利益の社会還元を行えば,石碑などを建て自分の名を残すことを許す.
これが理想ではないか.
なんらかの才能や努力,要領の良さで稼いだ人に累進課税をかけてしまうのではやる気がそがれる.また,稼ぎが少なければ税金が取られないという仕組みでは社会は活性化しない.社会主義が崩壊した歴史そのものだ.
日本にだってこういう歴史はある.玉川上水の建設時だって私財を投げ出した玉川兄弟がいた.
つい先日のカンブリア宮殿でも平田牧場の社長は地元にいろいろ寄付をして貢献していた.
出る杭は打たれるではないが,一人勝ちというのは普通なかなか許されるものではないし,居心地のいいものでもない.
税金を取るなら広く浅く.それでできることだけすればいい.累進課税をかける所得税の仕組みはやはり間違っているとしか思えない.
消費税を一律にかけるべきなのだ.そうすれば高い買い物をしたものほど税金を多く取られるのだから,皆公平になる.結局,お金を持っている人間は使わなければ意味がないのだから,使った分だけ社会は活性化するし,税金を多く払うことになるので社会貢献にもなる.
格差社会とよく言われるが,そもそも,金持ちと貧乏人が真っ二つに別れるようなことになれば,治安も悪くなり,金持ちだって気持ちよく住めない.成功して金持ちになった人間が社会貢献することは気持ちよく生きていくためには必要不可欠なことなのだ.無理に税金をかける必要はないのだ.
現代の政治家は歴史を学んでいないのか?といつも思う.不思議だ...
海の都の物語も面白いが,塩野七生さんの本は勉強になる.

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