畑の空間放射線量から野菜への汚染移行量を推定
空間放射線量から土壌汚染を推定し,さらにどのような作物だとどれくらい放射性物質が残留するか,推定できるものを作ってみた.
数字に責任は持てませんので,自己責任でご利用ください.
(セシウムのみで,他の核種は入ってません.)
μSv/h から Bq/m2, Bq/kg への変換
空間放射線量 | 測定場所の 自然放射線量 |
作る作物 | kgとm2の 変換係数(kg/l) |
---|---|---|---|
μSv/h | μSv/h |
全量Cs134とCs137と仮定
土壌汚染 未計算Bq/m2
土壌汚染 未計算Bq/kg
野菜の汚染量 未計算Bq/kg
kgとm2 の変換係数とは,1000cm3(1l)当たり重さ何kgかということ.
土が水と同じ密度だとすると「1」.
「保安院の記者会見では65倍」だったそうだが,その場合は「1.3」を選択.
野菜の移行係数
基本的に農水省のデータを利用.
麦などないものは安全研究センターのデータを利用.
(参考:作物・海産物の移行係数)
削り取る深さについて
畑なので30cmとしている.
農地土壌の放射性物質調査における土壌の採取について
各国の輸入制限基準
以下,野菜でセシウムのみ抜粋.
原発事故にともなう日本産農林水産物・食品への安全性検査等規制の動向(2011/06/21現在)
アメリカ 1,200ベクレル/kg
ロシア 130Bq/kg
EU 幼児用食品(200)、乳製品(200)、その他食品(500)
CODEX食品規格 1000Bq/kg
勝手な考察
この式を使うと,移行係数の比較的高いサツマイモ(0.033)で,5μSv/hの場所においてでさえ,野菜の汚染量 274.45Bq/kg となり,国の暫定基準 500Bq/kg を下回る.
国の暫定基準を下回っているので安全ととることも出来る.
出荷基準に沿って,しかも産地偽装などなくても,5μSv/hの場所で作られたものが,正々堂々と?市場に出回る可能性があるというとり方も出来る.
ただ,一ついえるのは,現在,ほとんど規制されている野菜がなくなりつつあるが,実際問題になっていた野菜は土壌から吸い上げたものではなく,降下したヨウ素,セシウムがそのままくっついたものなのではないだろうか?ということだ.
当初,放射性物質は洗えば落ちるって聞いたような気がしたが,よく調べてみると,野菜についたヨウ素はほとんど落ちない,セシウムも60%以上は残るという情報があった.
(参考:ほうれん草など野菜への放射性物質混入の実態)
現状を考えると正しいように思える.
近畿大学理工学部生命科学科 教授の山崎秀夫先生の話によると,
「足柄茶での汚染については運が悪かった。3月上旬、ちょうど新芽が出る時期に水素爆発が起こり、それが風にのって舞い、雨によって汚染されてしまった。」
ということだが,それもうなずけるのではないか.
(東京、一部で高濃度 土壌セシウム、茨城超す[朝日新聞]と豊洲について)
本当に気をつけるべきは
つまり,3月末にまさに育っていた野菜は関東,東北(静岡,長野,新潟のラインより東)では危険だったと思われる.
「4月以降にまいた,あるいは植えた野菜に関しては本当の汚染地域の農作物を除けば,それほど気をつけるべきでもない」のではないか,と思う.
ただし,吸い上げる度合いはその土地の土壌にもよるので,注意が必要なようだ.
(参考:福島の土壌とセシウム)
遠い場合は野菜の吸着する性質によって違う.お茶は吸着しやすかったのではないか.
ということは,我が畑の六条大麦はちょうどそのころ花を咲かせていたはずなので,やっぱりだめということになる...
小金井市では市民が食品を測っているようだ.
小金井市放射能測定器運営連絡協議会
予想通り,やっぱり出てる...