人工放射性物質と自然放射性物質の決定的な違い
実のところ,人工放射性物質と自然放射性物質の違いが分かっていなかった.
アルファ線なら何が出したアルファ線だって,同じ.ベータ線もガンマ線も同じ.
だから,空間放射線量が低ければ,特に気にすることないと思っていた.
例えば,今,私の住んでいる横浜の空間放射線量は0.07~0.08μSv/hだった.
この値は山口県の通常の空間放射線量0.1~0.09μSv/hより低いから,そんなに気にしなくて良いんじゃないの.と思っていた.
確かにそこまでは間違っていなかった.(と思う.)
それで,同じぐらいの汚染度?だから,山口の野菜が食べられて,横浜の野菜が食べられないってことはないだろ.となんとなく思っていた.もちろん,本当は作った野菜を計ることができれば,それに越したことはないのだが,とりあえず,空間線量が山口より低いぐらいなのだから,まあ大丈夫だろうと思っていた.
ところが,全然違うようである.
人工放射性物質と自然放射性物質の違いは内部被爆にあった
横浜の子供たちを放射能汚染から守る会のメーリングリストに入っているのだが,そこで,ある方が市川定夫さんという方の講義が見れる youtube のリンクを張ってくださっていた.
それがこの動画
「放射能はいらない」
簡単にまとめてしまうと,「生物は進化の歴史の中で自然界に存在して摂取が必要なカリウムに関しては摂取はするが,すぐに排出するような仕組みを作ってきた.だからカリウムは大丈夫だが,他の放射性物質にはそんな仕組みはない.」ということである.
カリウムというのは植物にとっても,動物にとっても必要な元素である.
そして,自然界のカリウムの中には10000分の1の量でカリウム40という放射性物質が含まれており,その放射性物質を体の中にためると問題が起こるために,それを溜め込むような性質を持つ個体は生き延びることができなかった,というのである.
生物はその長い歴史の中で適合した遺伝子をもつ種しか生き延びることができないわけであるが,その中でカリウムを摂取してもすぐ排出するような仕組みを持たないと生き残れなかったわけである.
つまり,カリウムに対しては本来,生物の方で対処する仕組みが備わっているわけである.
一方,ヨウ素131やセシウム137などの人工放射性物質に関しては対処する仕組みが備わっていない.
ヨウ素は自然界に放射性物質となる同位体が存在しないので,もともと取り込んでも害がないために取り込むようになっている.
カルシウムと同族のストロンチウム90は骨に蓄積していくことが分かっている.
他のものについては分からないものも多いらしい.(この動画の時点で)
セシウムはカリウムと似ているので摂取される.そして,すぐ排出されればいいのだが,出て行くときは出て行きにくいらしい.
この市川先生の話だとセシウムは蓄積していくというのだ.
ただ,途中でカリウムの生物学的半減期は60日で,セシウムは70日と書いてあった.
これだと,カリウムに比べてはそんなに蓄積していくようには思えない.そこがちょっと分からないところ.分かる人は教えて欲しいです.
つまり人工放射性物質は食べたらあかん.
また,原発推進派は飽和量があるので,ある一定程度セシウムを取り込めば,それ以上は取り込めないというらしい.
確かにビタミンB2などは取りすぎても尿で排出されると聞いたことがある.
では,セシウムもそうか?というと市川先生によると,飽和するまで摂取したら大変だという.
もし,本当ならかなり問題である.
結局,自然界にある放射性物質のほとんどはカリウム40で,それに対しては今生き延びている種には備えが出来ているので心配はないが,それ以外の人工放射性物質には備えが出来ていない状態だから,気をつけろ,ということである.
生き延びる生き延びないの話はリチャード・ドーキンスの「利己的な遺伝子」でも読めばよく分かるので,読んだことのない人は一度読んでみるといい.
癌や花粉症は人工放射性物質の内部被爆のせい?
花粉症が増えているのも,癌が増えているのも人工放射性物質のせいではないかとも考えられると言われているが,私もそうなのではないかと思う.
元々,50ぐらいで死んでいた人間が技術の進歩により,長生きすることによって,癌が顕在化してきたのかとも思ってきたが,歳をとるだけでガンのリスクが増える根拠ってあるのか?
長年取り込んだ放射性物質の影響で癌の発生確率が上がっているだけなのではないかと思えてきた.
70を超えるような人たちの中で,江戸時代の人間で癌で死んだ人間はどれくらいいたのだろうか?とふと疑問が生じた.
でも既に人工放射性物質食べてるな.うーむ.
話をまとめると,結局,少しでも人工放射性物質が降り積もっている地域の野菜は食べない方がいい.
そして,チェルノブイリや核実験で既に人工放射性物質は日本にある程度の量は降り注いでいる.
だから,既にだいぶ食べているのも間違いない.
汚染度の濃いものを食べれば食べるほど,放射線によって傷つく遺伝子が増え,癌や白血病などのリスクが高まるのもよく分かる.
さて,そこで問題である.
畑や庭の作物を食べるべきか食べないべきか...
子供には大人の10倍ほどの感受性があるそうである.つまり食べさせるべきでない.
大人はどうするか.難しいところである...
いや,食べなきゃいいんだけど.でも,そんなに長生きしても仕方ないし,自分で作っておいしかったら,それを食べた方がストレスたまらないような気もするし,一体あとどれくらい放射性物質食べてもいいんだろうか?
「あと,何ベクレル食べると60歳で癌で死にます」とか分かればいいんだけど...